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港則法及び海上交通安全法概要(工事・作業・行事)

1 港則法概要

(1)主旨

 港則法は、昭和23年7月15日法律第174号として制定され第1章の総則から第8章の罰則までの本則及び附則から構成されており、その内容は、輻輳した港内交通に対処するため工事作業等の規制を行っています。また、同法は法の適用される港及びその区域並びにこれらの港のうち、一定のものを特定港として政令で定めることとしています。
 特定港には港長が置かれており、同港に適用される各規定について港長を職権者として定め、同港以外の港における準用規定については、港長の職権を当該港の所在を管轄する海上保安監部又は運輸省令で定めるその他の管区海上保安本部の事務所の長が、これを行うものとなっています。

 港則法が適用される港(以下「適用港」という。)は、平成18年7月1日現在、全国に501港あり、そのうち喫水の深い船舶や外国船舶が常時出入りしている86港を特定港に指定しています。
 千葉海上保安部管内の特定港及び適用港は下表のとおりです。

特 定 港  千葉港・木更津港
適用港(特定港を除く)  館山港・白浜港(乙浜漁港)

略図

(2)適用条文

@工事又は作業の許可(法第31条)

 「特定港内又は特定港の境界付近で工事又は作業をしようとする者は、港長の許可を受けなければならない。」

イ.  法第31条中の「港の境界付近」とは、工事又は作業が当該港における船舶の出入り又は在港船舶に影響のある範囲をいいます。
ロ.  「工事」と「作業」には明確な区別はありませんが、事務処理上は工事とは行為の行われた場所において将来的に施設が存在するなどして、その痕跡を残すもの、作業とは痕跡を残さないものとして区別しています。
ハ.  一般的に工事又は作業と呼ばれるものでも、船内における清掃作業、機関修理作業、橋梁の上部で行う行為等その影響が当該船内や陸上部に限られるもので港内の船舶交通を阻害するおそれのない行為及び船舶の離着岸や荷役(起重機船等を使用した場合を除く)等港内で通常行われる行為については工事又は作業に該当しません。
ニ.  通常の漁労活動等は作業に該当しませんが、定置網、のり養殖棚、かき棚、真珠養殖棚、生け簀等の漁業に関する工作物を設置する場合は、工事又は作業に該当します。
ホ.  潜水して作業する場合は、器具を用いると否とにかかわらず、作業に該当します。
ヘ.  水面上における橋梁築造、補修、岸壁補修架線設置及び施工に伴い陸上から水面上に構造物が張り出す場合も、本条の許可の対象になります。
ト.  工事又は作業の具体的な例は、次のようなものがあります。
  • 航路、泊地等の浚渫作業
  • 港湾用地の造成
  • 岸壁・桟橋・ドルフィン等の工作物設置、補修
  • 定置網の設置、のり・かき・真珠貝等の養殖のための竹木材類の敷設、漁礁の設置
  • 採泥及びボーリング調査
  • 潜水探査・磁気探査等の海底調査
  • 潜水して行う船底清掃の作業
  • 沈船引揚げ作業

※港則法第37条の3の規定により、館山港・白浜港(乙浜漁港)において工事又は作業をしようとする者は、千葉海上保安部長(千葉港長ではありません。)の許可を受けなければなりません。

A行事の許可(法第32条)

 「特定の港内において端艇競争その他の行事をしようとする者は、予め港長の許可を受けなければならない。」

イ.  行事の具体的な例としては次のようなものがあり、一般的には一定の計画の下、統一された意思に従って複数の船舶等が参加して行われる社会的な活動をいいます。
  • 端艇競争
  • 祭礼
  • パレード
  • 海上訓練
  • 水上カーニバル
  • 水上花火大会
  • 遠泳大会
  • 海上デモ等
ロ.  参加する船艇が少数であっても水域を占有(ブイ等の設置を含む)したり、船隊を組むなどして通常の航行形態とは異なった形で航行する場合は本条の行事に該当します。
ハ.  一船内において行われる納涼大会は、当該船舶が通常の航行形態とは異なった形で行動することのない限り、本条の行事には該当しません。

2 海上交通安全法概要

(1)主旨

 海上交通安全法は、船舶交通が輻輳する東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海の三海域における船舶交通について、特別の交通方法を定め、その危険を予防するための規制を行い、船舶交通の安全を図ることを目的として昭和48年から施行されています。
 本法は、航路における船舶の交通方法と船舶交通の危険を及ぼす工事作業等の規制を主要な柱としています。
 船舶交通の安全を図るには、船舶の交通方法を整備すると同時に、他の法益との調整を図りつつ船舶交通の場としての海域の交通環境の保全を図ることが必要であり、この見地から本法には工事・作業又は工作物の設置をしようとする者は、海上保安庁長官あて許可申請又は届出が義務付けられています。
 東京湾内における適用海域は、下図のとおりで次の区域が除かれています。

(2)適用条文

@ 工事・作業又は工作物の設置許可(第30条第1項)
 通常の管理行為、軽易な行為等を除き、航路又は周辺海域において工事又は作業をしようとする者及び同海域(港湾区域と重複している海域を除く)においえて工作物を設置(現に存する工作物の規模、形状又は位置の変更を含む)しようとする者は、海上保安庁長官の許可を受けなければなりません。なお、海上保安庁長官の権限は、管区海上保安本部長に委任されてまれいます。
イ.  「航路」とは、海上交通安全法第2条に規定する航路をいい、東京湾においては、浦賀水道航路及び中ノ瀬航路が該当します。
ロ.  航路の周辺海域は、航路の側方の境界線から外側200メートル以内の海域及び航路の出入り口から1,500メートル以内の海域であり、海上交通安全法施行令第7条により規定されています。
ハ.  工作物の設置についての許可の対象海域から「港湾区域と重複している海域」が除外されているのは、当該海域においての本条の規制と港湾法第37条の規制とが二重に課せられるのを避け、船舶交通の場である当該港湾を管理する港湾管理者の一般的な管理権を尊重して、港湾区域において工作物を設置してよいか悪いかの判断については、港湾管理者の判断に任せることとにより、規制を一本化することにしたものです。
ニ.  許可の対象行為としては、浚渫、海底電線の敷設作業、掃海、測量及び水中作業等の工事・作業並びにケーソン及び漁礁等の工作物の設置があります。
 なお、既存の工作物を改築又は増築して、その規模を拡大又は縮小し、形状又は位置を変更する場合においても許可は必要です。
ホ.  一般的に工事又は作業と呼び得るものであっても法目的に照らすとき、必ずしも本条にいう工事・作業に該当しないものがあります。
 例えば、航行中に通常船上又は船内で行われる行為であって、その船舶の航行方法に制約を加えないもの(漁獲物の加工、清掃等)及び既設の工作物上又はその内部で行われる行為であって、その工作物の管理上通常行われるものであり、かつ、その工作物の占有空間内において行われるもの(例えば橋梁の照明灯の取替え、道路橋上の舗装、ガードレールの修繕、橋脚内に装置されたエレベーターの運転等)は、本条の工事・作業に該当しません。
ヘ.  一般に船舶の航行は作業ではありませんが、その中でも航行方法に制約を受けた状態で行われるもの(ソナーによる沈船の位置探査、複数船の特殊船隊行動等)は、作業に該当します。
ト.  埋立を行う場合は外周部の工事が完了した場合には、それより陸岸寄りの海面を船舶が航行することは考えられないので、その内側の場所における行為については、許可の対象となりません。
チ.  工事・作業の実施と工作物の設置は、一応、別々に許可することになっています。工作物の設置には、必ず工事・作業が伴いますが、船舶交通の危険防止という観点からは、それぞれ別個の危険性があります。しかし、工事・作業の実施方法も既に決まっている場合には、2つの許可が一括して処理されることになります。
 一方、大規模な工作物の設置の場合には、設置計画の段階では工事細目は未定であり、工事施工あたっても作業計画が数段階に分けて立案されれているものが多いので、その都度許可が行われることとなります
リ.  許可を受ける必要のない行為は、次に掲げるものであり、海上交通安全法施行規則第24条に規定されています。
  •  人命又は船舶の緊迫した危難を避けるために行われる仮工作物の設置その他の応急措置として必要とされる行為
  •  漁具の設置その他漁業を行うために必要とされる行為
  •  海面の略最高高潮面からの高さが65メートルを越える空域における行為
  •  海底下5メートルを越える地下における行為
A 工事・作業又は工作物の設置届出(第31条第1項)
 通常の管理行為、軽易な行為等を除き、航路又はその周辺海域以外の海域において工事又は作業をしようとする者及び同海域(港湾区域と重複している海域を除く)において工作物を設置しようとする者は、海上保安庁長官に届出なければなりません。なお、海上保安庁長官の権限は、管区海上保安本部長に委任されています。

(3)許可申請者、届出者

@ 許可申請者、届出者
A 様式
 許可申請及び届出書に記載する事項は、同法規則第25条及び第27条に規定されており、A4版、左とじ、横書きで作成して下しさい。
B 提出時期
 原則として、工事・作業又は工作物の設置に着手する1ヶ月前までに提出して下さい。ただし、船舶の交通制限が必要となるような特殊な工事、大規模な工事等を行う場合は、関係先との調整や事前の周知機関を勘案のうえ、十分に余裕のある時期に海上保安部と調整を行ってください。
C 許可申請及び届出書の提出先
 許可申請書及び届出書は、海域を管轄する海上保安部長を経由して第三管区海上保安本部長に提出して下さい。
 ※具体的な経由先については、海上保安部に確認して下さい。

(4)申請書類作成要領