海釣りの基本的注意事項

1 高波に対する注意

  • 過去に、釣り人の遭難事故があった磯は、特に危険です。
    磯場に来たら、波の立ち具合をよく観察し、大きな波の起こる磯場には、近寄らないようにしましょう。
  • 人は、後ろから波に襲われると、ひとたまりもなく波にさらわれます。
    釣り人は、常に風波やうねりと向かい合い、波を見ながら釣りを行わないと危険です。
  • 磯場では、波やうねりが小さいと思っていても、1時間に1〜2回一発大波、きまぐれ波、青波と呼ばれる、押し上がるような大波が起こることがあります。
    今、通り過ぎた波が小さかったからといって、>次に来る波も小さいと思い込んではいけません。
  • 釣り場周辺の海面下が、V字型の沈み磯や根になっていると、波が侵入する角度によっては巨大な波が起こり、釣り人を襲うことがあります。
    このような磯に限って、釣りの一級磯と言われているところが多いのです。
  • 小さな島や磯では、両端を迂回した波が裏側でぶつかり、大きな三角波となって、磯場に打ち込むことがあります。
  • 一般的に、波は浅い方に向かって進みます。
    このため磯場では、浅瀬に波が集まり、波の位相が合成されて、突発的に巨大波が起こります。
  • V字型の湾奥では、満ち潮や、強い風により海水が湾奥に吹き寄せられて海面が上昇し、磯場に波が打ち込みやすくなります。
  

2 津波に対する注意

  • 立っていられないほどの激しい揺れや、目まいかなと思うようなゆっくりと揺れる地震が起こったら、次に、「津波が来る!」と察知し、急いで高台へ避難するか、船で沖へ避難してください。

3 突風に対する注意

  • 岩場や磯の多い複雑な海岸では、風は、決まった方向から吹くわけではなく、絶えず息をしています。息の強いときは、突風となります。
  • 早朝風が弱いからといって、風の通り道に背を向けて釣りをしていると、急に吹き出す突風に煽られて、荷物を吹き飛ばされたり、転落事故を招いたりすることがあります。

4 天気の急変に対する注意

  • 暖かい南風が吹き、釣り日和であっても、西方の空に積乱雲が現れ、雲の下方に雨足が見えるようになると、晴れていた空は曇り空となり、雷鳴が聞こえ、強風が吹き出します。
    そして、穏やかだった海は、瞬く間に大荒れと化します。
  • 雲の広がりやうねりの高まりから、低気圧接近の気配を察知し、釣り場を引き上げる頃合いを見定めることが大切です。
    避難時機を失すると、磯に取り残されたり、大波にさらわれたりする危険に遭遇することになります。
  • 高積雲(さばぐも、ひつじぐも)が広がり、南よりの風が吹き始めれば、天気は確実に下り坂です。高積雲から前線までの距離は、約700キロで、前線が時速50〜60キロで近づいて来ると、10時間も経たないうちに天気は崩れてきます。

5 落雷に対する注意

  • 寒冷前線が活発なときは、前線に沿った広い範囲で雷が発生します。雷の寿命は、50分位です。
  • 磯場は逃げ場がないので、落雷の恐れがあるときは、早めに避難しないといけません。
    身に付けている金具類は体から離し、低い窪地にうずくまるのが良いでしょう。
  • ほとんどの釣竿は、カーボンロッド(電気の良導体)で出来ており、このため竿に落雷するケースが多くなっています。
    毎年、何人もの釣り人が落雷で死んでいます。