海釣りの事故防止心得

1 気象海象の確認

  • 海釣りに行くときは、出発前日の午後に、気象情報を必ず確認しましょう。
  • 気象情報は、台風や発達する低気圧の動きに注意しましょう!
  • 現地の渡船業者に、海の状況を聞くのも良いでしょう。
  • 釣り当日の、満潮・干潮の時刻を調べておきましょう。

補足説明

  • 春と秋は、低気圧が急に発達することが多い。1000km離れた西方の低気圧の動きに、気を配りましょう。
  •  南方海上に、台風が発生していないか確かめておきましょう。台風が北緯20度線を越えて北上しているならば、太平洋沿岸ではうねりが高くなります。
  • 雲足が速いときや、前線が通過するときは、突風が起こりやすく、 天気が急変する恐れがあります。
  • 港内に、漁船が多数係留されているときや、漁船が漁を止めて港へ引き上げてくるときは、沖が時化ていることが多い。

2 万全な準備

  • 体調を崩していたり、疲労しているときは、海釣に行くのを中止した方が良いでしょう。
  • 海釣りの計画は、十分に余裕のあるスケジュールとし、安全第一を心掛けましょう。
  • 行き先、帰宅時間、連絡先などを、家族や宿の人に知らせておきましょう。
  • 救命胴衣、呼子笛、携帯電話、ロープ、救急薬品、雨具、サングラスは、必ず持参しましょう。
  • 服装は、鮮明な色の衣服を着用し、氏名を記入しておきましょう。携行物品には、住所、氏名を記入しておきましょう。
  • 磯場はよく滑るので、 滑り止めの付いた釣り専用靴をはきましょう。

3 岩場での事故防止

  •   岩場では、無理な移動をしないようにしましょう。岩場では、荷物は両手に持たないようにしましょう。
    万一の事故に備え、手に物つ荷物は、危険な側に持ちましょう。
  •  荷物を持って、岩場やテトラを飛び渡りするのは、バランスを崩し たり、滑ったりして危険です。
    一歩々足場を確かめながら、ゆっくり歩きましょう。
  •  渡船を使って磯渡りするときは、乗船時に、必ず救命胴衣を着用 しましょう。
    釣り場に着いても、救命胴衣は着用したままで通し、帰港して下船するまで着用しておきましょう。
    船は、転覆したり、乗上げたりすることもあります。
  • 船に乗ったら、海の危険を熟知している船長の指示に従いましょう。
  •  渡礁は、船の船首部から行います。渡礁時には、船が上下に動いていますが、船が上がりきった瞬間に渡りましょう。
    渡礁時には、荷物は、手に持ったり、体に身に付けず、手渡し(リ レー式)で送りましょう。
  • 岩場(岸壁)と船縁の間に、指を挟まれる事故がよくあるので、船縁には、絶対に手を掛けてはいけません。
  • 海釣りでは、孤立や転落等の遭難事故が発生しているので、単独で渡礁しないようにしましょう。

4 釣り場選定上の注意

  • 釣り場に着いたら、釣具の準備をする前に、先ず海面の状態、風の状況等の安全を確かめましょう。
      海面の状態 : 波の引き・押し具合、波の高さを確かめましょう。
      風の状況 : 釣り場に対して向かい風か、追い風か、風の息の具合などを検討しましょう。
  • 足場が濡れていないか、滑る恐れがないか、魚の取り込み場所 をどこにするかなど、足場周辺の安全を確かめましょう。
  • 海釣りでは、背後や横から打ち込む大波で遭難しやすい。波と向かい合うような姿勢で、釣りを行える場所を選びましょう。
  • 大きな波が打ち寄せてきたとき、逃げ場があるかどうか確かめておきましょう。背後が断崖になっている釣り場は、逃げ場がありません。
  •  台風が発生している時、うねりの高い釣り場は、絶対に選択しないようにしましょう。
    海上に浮かぶ小さな孤立磯は、気象の急変により、急に危険な磯に変貌することもあります。
  • 過去に、遭難者が出た磯には、立ち入らないようにしましょう。

5 釣り場での事故予防

  • 高い岩場や磯場の先端へは、行かないようにしましょう。突風でバランスを崩したり、転落事故を起こすことがあります。
  • 足場の悪い磯場は、丈夫な荷受ピトンや竿受ピトンを打って、足場の安全を確保しておきましょう。
  • 天候が急変した場合や、船長から避難の合図があったら、思い切 って釣りを止め、安全な場所へ急いで避難しましょう。

6 事故発生時の措置

  •  万一、海中に転落したときは、磯からできるだけ離れ、沖へ出て救助を待ちましょう。
    あわてて岩場に近寄ると、複雑な波に巻き込まれ、岩に打ち付けられるなどして危険です。
  •  磯場で救助が必要となったときは、呼子笛・携帯電話・黄色信号旗等を使って付近の人に知らせ、多くの人の援助を求めるようにしましょう。
  • 水を一杯含んだ衣服を着用した海中転落者は、一人や二人の力では岩場に引き上げられません。
  • 救命ロープの投げ方、結び方を訓練しておきましょう。

7 津波の対応

  •  目まいかなと思うようなゆっくりと揺れる地震や、大きな揺れの地震を感じたら、次に「津波が来る!」と察知し、急いで高台へ避難するか、船で沖合へ避難しましょう。
  • 潮が急激に引くなど、海面に異常な現象が起これば、津波来襲の 前ぶれと判断し、高台へ避難するか、船で沖合へ避難しましょう。
  • 津波は、地震発生後10〜20分位で、第一波が押し寄せます。
  • ラジオ放送で、地震・津波情報を入手しましょう。