トップページへ戻る 関門海域における特定航法
(4)関門航路での追い越し
関門航路における追い越しについては、港則法施行規則第38条第2項において、「港則法施行規則第27条の2第1項および第2項の規定は、関門航路において、船舶(同条第2項を準用する場合にあっては、汽船)が他の船舶を追い越そうとする場合に準用する」
と規定されています。
港則法施行規則第27条の2
1 船舶は、東京西航路において周囲の状況を考慮し、次各号のいずれにも該当する場合には、他の船舶を追い越すことができる。
 一 当該他の船舶が自船を安全に通過させるための動作をとることを必要としないとき。
 二 自船以外の船舶の針路を安全に避けられるとき。
2 前項の規定により汽船が他の船舶の右げん側を航行して追い越そうとするときは、汽笛またはサイレンをもって長音一回に引き続いて短音一回を、その左げん側を航行して追い越そうとするときは、長音一回に引き続いて短音二回を吹き鳴らさなければならない。
追い越しについて
この規定に基づき他船を追い越す場合は、次に示す関門海峡における航行環境を把握のうえ、十分に留意して追い越す必要がある。
1 部埼沖の航行環境
・大型船の多くが下関南東水道(第1〜4号灯浮標)を航行するが、喫水の浅い小型船は同水道の北側を航行しているため、部埼沖で大型船と小型船の通航路が交差している。
・下関南東水道第1号灯浮標と部埼灯台との間に検疫錨地があり、付近の錨泊船は日出とともに運航を開始し関門港に向かう。
 また、同灯浮標付近は関門パイロットの乗下船地となっている。
2 田野浦、太刀浦沖の航行環境
・東航時は太刀浦岸壁からの出港船の動向に注意を要する。
・東流に逆らって西航する場合、門司埼に近づいてから左転し最狭部に向かおうとすると左げんから強い圧流を受けて思うように回頭できず、檀之浦海岸へ圧流されるおそれがある。
3 早鞆瀬戸の航行環境
・停留低速船の存在
速力の遅い船舶が早鞆瀬戸の付近で停留し可航水域を狭くするため、後続船舶は同様に速力を落とすか追い越すかの選択にせまられるが、特に水流を多く受けている船舶では速力を落とすと操縦性能が大幅に落ち危険であるし、また、追い越す場合には反航船との行会い関係や潮流による圧流で、反航船・同航船が異常接近する等により非常に危険な状態となることがある。
・西流時に和布刈沖の歪潮を利用している東航小型船の停留と航路中央への押し出し現象
西流時に門司側に接近し、歪潮を利用して航行する船舶は門司埼付近で西流に突入し、 船首を急に左転することがある。
左げんに航路内を航行している船舶がいる場合には非常に危険である。
これらの船舶は、門司埼までは潮流に乗るので航路航行船舶を追い越すような関係にあることが多く、 追い越すと思うと門司埼付近で急に速力を落とし中には停留・後退する船舶もあり異常接近することがある。
この時、船首を潮流にたたかれ急に左転することがあるので著しく危険である。
・東流時に東航船が壇ノ浦方向に圧流される
東流時に早鞆瀬戸を東航している船舶が圧流され、西航している船舶に流れかかってくることがある。
この場合、可航幅に制限がある船舶、追い越し等で他船と並列航行している船舶の場合に転舵等による避航が困難となり、増減速によりやり過ごすしかないが、増速は先行船との問題(停留低速船等)、減速は自船の操縦性能の減少や舵の使い方によっては平行移動する等非常に危険な状態となる恐れがある。
・漁船、遊漁船が潮流の弱い時間帯に集中し、憩流時前後は大型船や物件曳航船も集中する。
・休日には多数の遊漁船が出漁して平日の数倍に達し、また、東流時よりも西流時の方が多い。
特に、関門橋付近は好漁場であり、強潮流でも潮目を利用して操業している。
夜間は、漁船の灯火が見づらいこともある。
左右に転舵して漁船を避けるのは難しく、速力を減じ、汽笛を鳴らして注意を喚起する方がよい。
・強い東流に逆航して西航する場合、門司埼を通過するときに壇之浦海岸側へ予想以上に圧流されることがある。
・門司埼と関門航路第32号灯浮標を結んだ線以南は還流域となっている。
・逆潮通過時は3ノット以上の対地速力を維持すること。
・早鞆瀬戸における特定航法により、門司埼に近寄って航行する西航船(100トン未満の汽船。漁船やパイロットボートがある。)
・早鞆信号所において、大型船(一般船10,000トン以上、油送船3,000トン以上)の動静が確認できる。
・実態として、最強潮流は10ノットを越えることがある。
・無理な追い越しは行わないこと。
4 早鞆瀬戸西口〜大瀬戸東口
・門司区・下関区へ係留しようとする船舶が航路近くで回頭することがある。
・夜間は背景光により、灯火が視認しにくいことがある。
・白木埼沖の航路屈曲部では全体的に門司側に寄って航行する傾向がある。
5 大瀬戸
・大きく屈曲して見通しが悪く、小型船の往来が多い。
・東流時は門司側、西流時は小倉側へ圧流される傾向がある。
・彦島寄りにショートカット航行する小型船・雑種船が多く、山底ノ鼻以西で航路を横切るものがある。
・漁船の操業が多い。
・東航時は大瀬戸第1〜3号導灯で示す進路を航行し、航路右側航行に努めること。
6 戸畑航路付近
・戸畑航路、若松航路および関門航路の接続部付近においては、各航路航行船舶の優先関係に注意のこと。
・戸畑航路を横切って航行する漁船が多い。

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