イカナゴ漁船の潮流別操業形態解説ページ

 
 ●イカナゴ漁について

  大阪湾・播磨灘では、毎年2月から4月頃にかけて
 「イカナゴ漁」が行なわれます。
  イカナゴ、特に新子(シンコ)と呼ばれるその年に
 生まれたイカナゴの稚魚は、「くぎ煮」としての需要
 が多く、船曳網漁という漁法でとります。
  イカナゴは潮目に集まるため明石海峡が好漁場にな
 ることから、多いときには約120統(1統3隻)も
 の船曳網漁船が狭い海峡に集まり漁をしています。
  このため、一般の船舶が漁船を避けるため航路外を
 航行したり、航路内で立ち往生することがあります。
  これらのことから当センターでは、イカナゴ漁が始
 まると、インターネットHPとラジオ放送などで最新
 の操業状況をお知らせしています。 

 
 ●イカナゴ漁船の潮流別操業形態

 「船曳網漁」は、3隻の漁船が1組となり、そのうちの1隻が、潮目に集まるいかなごを探し、残り2隻で網を曳いて
 すくい捕る漁法です。
 操業形態は風、波浪、漁獲量、操業時期などさまざまな要素に影響されるため、操業パターンの形態想定は、実際の操
 業と必ずしも一致するものではありませんが、明石海峡周辺では、特にイカナゴの稚魚である新子(シンコ)が強潮流
 により流され潮目に集まってくるため、操業漁船群も潮流により操業形態がある程度パターン化する傾向にあります。
  また、形態想定は“い集”操業している箇所を主に表示しており、これ以外にも“い集”していない漁船の操業が行われ
 ていますので注意が必要です。
  各パターンとも漁船が所属する漁協の決められた操業海域で操業を開始しますが概ね次の形態となります。

 操業パターン1: 操業開始時の潮流が主に西流の上昇から始まる場合 

 (1)
 ・明石海峡航路西方灯浮標南方の播磨灘航路からへ南西方向に
  延びる船団
 ・明石海峡航路中央第二号灯浮標付近の航路帯から明石海峡大
  橋下を通過し、明石海峡航路中央第三号灯浮標及び明石海峡
  航路東方灯浮標付近を通過し大阪湾中央部方面へ南東方向に
  帯状に延びる船団
 ・明石海峡航路西方灯浮標付近から中央第一号灯浮標を経由し
  中央第二号灯浮標付近に至る船団
 
 (2)
   更に西流が強くなり概ね4ノットを超えるようになると、
   林崎沖若しくは第一灯浮標から東方灯浮標北方まで全体の
   船団が繋がり、ほぼ一直線に幅500m〜1Kmの帯状で
   分布して操業する形態となります。
   また、航路内においては、東航航路帯から航路中央付近で
   操業していた船団も潮流が強くなるに従って北へ圧流さ
   れ、ほとんどが西航航路帯及び航路の北側に分布するよう
   になります。
 
 (3)
   また、西流が6ノットを超えると繋がった船団は、明石海
   峡大橋下付近から明石海峡航路東方灯浮標付近を通過し大
   阪湾の南方向(淡路島の東岸に平行)に帯状に延びる船団
   になります。
 
 (4)
   やがて西流が下降し始めると、船団の帯は明石海峡航路中
   央第三号灯浮標と東方灯浮標の中間付近から南に折れ、南
   北に繋がって操業を始めるとともに、航路内でも帯状から
   拡散し始めます。
 


 操業パターン2: 操業開始時の潮流が主に西流の下降から始まる場合 

 (1)
  ・明石海峡航路第一号灯浮標の北西から明石海峡航路東方灯
   浮標の東側海域まで西航航路帯で一直線に帯状になって操
   業する船団
  ・大阪湾では、団子状になって操業する船団
 
 (2)
   西流が弱くなるとだんだん航路内での操業帯幅が広くなり
   航路内にちらばってきます。
 
 (3)
   転流後東流になると1本の帯状だった船団は明石海峡航路
   第二号灯浮標付近で別れ次の形態となります。
   ・明石海峡航路第一号灯浮標からセメント磯周辺の間で操
    業する船団
   ・明石海峡航路第二号灯浮標若しくは第三号灯浮標から東
    方灯浮標付近の間で操業する船団
   特に明石海峡航路第一号灯浮標付近の西航路帯から明石港
   にかけては団子状になる傾向があります。
   また、大阪湾では、明石海峡航路東方灯浮標の南側海域で
   団子状になったり、半月状になったりしながら操業します。
 


 操業パターン3:操業開始時の潮流が主に東流の上昇から始まる場合 

 (1)
   ・セメント磯から明石海峡航路第一号灯浮標周辺及び第二
    号灯浮標付近まで西航航路帯に固まって操業する船団
   ・明石海峡大橋から明石海峡航路第三号灯浮標の東側海域
    で主に東航航路帯及び航路南側に固まって操業する船団
   ・大阪湾内では、明石海峡航路東方灯浮標の南側海域で南
    北に細長の団子状になって操業する船団(潮目によって
    大小様々な大きさになって複数の団子状の船団を形成し
    ます)
 
 (2)
   更に東流が強くなると、明石海峡航路内での繋がっての操
   業はなくなり、東西各航路の入り口海域にそれぞれ団子状
   に操業船団ができます。
   特に、明石海峡航路中央第一号灯浮標から二号灯浮標付近
   では、西航路、東航路帯に団子状にばらけて操業する傾向
   があります。
      
 


 操業パターン4:操業開始時の潮流が主に東流の下降から始まる場合 

 (1)
   ・カンタマ瀬から明石海峡航路第二号灯浮標付近までの間
    で団子状になる船団
   ・明石海峡航路東方灯浮標の南側海域に南北に帯状に延び
    た船団(明石海峡大橋から明石海峡航路中央第三号灯浮
    標の間では、航路内操業はほとんどなくなります)
     
 
 (2)
   やがて転流から西流になると東西に繋がった航路内での操
   業形態となります。
     
 
 
 以上の操業形態は、イカナゴ漁解禁直後と終漁時期では同じ潮流でも操業形態は一致しません。
 終漁時期には、各漁船群が少なくなったイカナゴを探しながら操業するためと思われ、特に大阪湾では顕著です。
 

 ●明石海峡航路周辺で操業するみなさんへ

 ・大阪湾海上交通センターから大型船等の入航予定情報を事前に入手して下さい。
 ・巨大船の進路を避け、巨大船等通航時の可航幅を確保して下さい。
  操業列による避航、一列操業をお願いします。
 ・巡視船艇・指導警戒船の指導に協力して下さい。
 ・航路を航行する場合は航法を遵守して下さい。
 ・ライフジャケットを着用しましょう。

 ●明石海峡航路を利用する通航船のみなさんへ

 ・可能な限り操業時間帯の通航を避けましょう。
 ・操業状況を事前に入手して下さい。
 ・大阪湾海上交通センターでは、インターネット・携帯電話サイトで操業情報を提供しています。
 ・国際VHF16chを常時聴守して下さい。国際VHFにより大阪湾海上交通センターから緊急情報を
  提供することがあります。