バナナボート等による事故の防止について
 水上オートバイやモーターボートによる無動力であるバナナボート等の浮体(以下『被引浮体』という)を曳航する形のマリンレジャーによる海難が発生していますので下記事項に注意しましょう。

曳航船舶の操縦者は、搭乗者に対して、被引浮体からの落水による負傷や搭乗中に乗客同士が接触し負傷するおそれがあるなど、事前に被引浮体に係る危険性を認識させた上で、救命胴衣を常時着用させましょう。
被引浮体の動きを把握しないまま曳航することにより、被引浮体が防波堤、他船等の障害物に衝突する危険性があることを認識し安全に操船しましょう。
被引浮体が衝突する危険のある防波堤などが近接する海域や曳航に不適な気象条件である海域などでの海難が発生していることから、安全な遊走海域を選定し海象に応じた適切な操船とともに搭乗者の技量や体力に応じた操船をしましょう。

事  故  事  例

@ 平成16年8月9日:【被引浮体の曳航時における不適切な操船】
Aの操船する水上オートバイにゴムボートをロープでつなぎ曳航し遊走していたところ、遊走海域にある根固めブロック付近で円を描くように旋回した際、遠心力で同ボートが振れ回った勢いで、同ボートは根固めブロックに衝突、搭乗者は海中に投げ出され全身を強打しました。
搭乗者は、救急車により病院に搬送されたが、頚椎及び骨盤の骨折、脊髄損傷の重体となり、後日死亡が確認されました。
※搭乗者の救命胴衣の着用状況:未着用
A 平成17年7月:【曳航中の被引浮体の動静監視の不徹底】
Aの操船する水上オートバイが、B及びCを乗せたバナナボートを曳いていた際、Aが後方の状況を確認せずに増速したため曳航ロープが緊張し、Bが同ボートの握り手を離し後方にのけぞる様に倒れ、Bの後頭部とCの前頭部がぶつかり、両名とも海中に転落しました。
以後付近にいた友人が118番等の通報を実施。B及びCは救急車により病院に搬送され、同人らは、頭部切創等により治療が必要と診断されました。
※搭乗者の救命胴衣の着用状況:着用
B 平成16年8月8日(日)午前11時頃
香川県高松市女木島海水浴場沖合い約100メートルの海上において、 水上バイクに引っ張られたバナナボート(円筒形で中に空気が入ってるゴム製の遊戯物 モーターボートや水上バイクなどで引っ張られて、その上に人が乗って遊走する乗り物)に5名が縦列に乗り、遊走していたところ、バナナボートに乗っていた人がバランスを崩し転倒した拍子に、一番前に乗っていた会社員男性(30歳)の後頭部と前から二番目に乗っていた会社員男性(20歳)の頭部付近があたり、両名が負傷しました。
C 平成16年7月19日 午後2時40分頃
午後2時頃から、熊本県上天草市松島町天草松島西目海水浴場沖合いにて、水上バイクに男性2名、バナナボート(バナナの形をした長さ約3メートルのゴム製の乗り物)に男性2名、女性2名が乗り、水上バイクがバナナボートを引く方法で遊走を開始したところ、遊走中の同日午後2時40分頃、バナナボートに乗っていた4名が、海中に転落し、その際、お互いの体がぶつかり合い4名のうち女性2名が怪我を負い病院に搬送されました。病院に搬送された2名は、軽傷で、関係者全員救命胴衣を着用していました。