プレジャーボート操船者の皆さんへ
( 海難防止と死亡事故撲滅の為に )


 マリンレジャーの普及に伴い、プレジャーボートで海に出かける方も多くなってきています。
その一方でこれらプレジャーボートによる海難も増加しています。
 次の事項に特に注意してマリンレジャーを満喫してください。

無理のない航海計画(予定)を立てる

  • 行動予定海域の地形、水深などの調査
  • 船の性能、航行区域、操船技術、自然条件を考慮した計画
  • プレジャーボート用の水路参考図誌の準備
 

気象・海象情報を入手する

  • 最新の気象・海象情報の把握
    天候悪化が予想される場合、おもいきって出港を中止する勇気も
  • 観天望気に心掛ける
     観天望気とは?
      その地方の環境や気象の変化の特徴を踏まえた独自の気象観測方法で、雲、風、気温などの状況から、これまでの経験を基に天気 の変化を予測するものです。
      「観天望気」はそれぞれの地方・地域毎に違います。その地方の「観天望気」に詳しい人などから十分な知識を得ておけば、気象情報 が得られないときなど短時間の予測には大変有効です。
      「観天望気」にみられる一般的な『ことわざ』には次のようなものがあります。

    • 波状雲が出ると雨
    • うろこ雲が出ると翌日・翌々日は雨
    • 朝焼けは雨、夕焼けは晴
    • 日傘・月傘がでると翌日は雨
    • 星が激しく瞬くと風が強くなる
    • 早朝、暖かいときは雨
    • 朝、東の風に黒雲があると天気が崩れる
    • 朝、西空の虹は悪天候の前触れ・・・       等

連絡体制を確保する

  • 家族、知人、マリーナなどに航海計画の連絡
     あなたが海に出ていることを知る者がいなければ、万一のとき海上保安庁等の救助機関への連絡が入らず捜索活動に入れないおそれがあります。
     航海計画は必ず周囲の人に知らせましょう。

  • 無線機、携帯電話等、陸上への連絡手段の確保
     携帯電話のサービスエリア拡大に伴い、全ての海域ではありませんが沿岸部では携帯電話を使用することが可能となり、遭難時の通報手段として極めて有効です。
     (なお、携帯電話は携帯電話会社や機種により通信、通話できるエリアが異なりますので、注意して下さい。
     また、不感地帯の多い場所に行くときは、家族等にその有無を伝え、携帯電話以外での連絡手段を確保して下さい。)
    アクアパック(AQUAPAC)
 充電状態を確かめた携帯電話を防水パック(水濡れから携帯を守り、袋に入れたまま通話可能なもの)に入れて携行してください。

 防水パック・アクアパックはネット上でも購入できます。

 海難発生時には携帯電話等により海上保安庁へ118番通報するか、航行海域を担任する最寄の海上保安官署へ次の要領で正確に連絡ください。 

  • 通報者の名前、連絡先(携帯電話の番号)
  • 人命異状の有無
  • ケガ人がいればその人数、ケガの状況及び現在取っている措置
  • 船名や船の色、長さ、形状等、船の特定を容易とする特徴
  • 場所(沖ノ島、大島といった名は全国に点在していることから略さずに
    正式な名称を、また地元の人しか知らない‘通称’の名は極力使わない)
  • 海難の種類(暗礁への乗揚げ、他船との衝突、機関故障、浸水等)

救命胴衣を着用する



  • 乗船者は救命胴衣を着用しましよう
     海中転落などで海に投げ出されたら、大抵の人はその状況を受け入れがたく、おそらくパニックをおこすことでしょう。

     そういった状況下で助かる可能性を少しでも高める為には、むやみに泳いで体力を消耗するようなことは避け、とにかく海面に浮いて救助を待つこと。

    そのためには救命胴衣を必ず着用してください。

     また救命胴衣着用を窮屈に感じる方も多いかと思いますが、最近は船上での作業等にも邪魔にならないような軽量で扱い易い膨張式救命胴衣(ガスボンベ内蔵で落水と同時に自動膨張するもの)等があるため乗船者全員の着用をお願いします。

 
 膨張式救命胴衣の着用指導の様子