ミニボート MINI BOAT
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ミニボートに乗るときに必要な知識及び技量
まずは基本を覚えよう。
ミニボートを操縦するときはあなたが船長です。船長は、自分のボートと乗員の安全を守らなければなりません。海上の交通ルールや気象海象状況の把握は、海上に出るために必要な知識ですので、必ず把握し、安全に航海を楽しみましょう。
ボートを動かす基本となる、主な海上の交通ルールは以下の3つです。
海上衝突予防法
海上における船舶の衝突を予防し、船舶交通の安全を図ることを目的とした法律です。船舶の遵守すべき航行ルールや船舶が表示すべき灯火、形象物のほか、船舶の行うべき信号等を規定しています。ミニボートであってもこの法律上は「動力船」として扱われ、様々な規定が適用されます。
海上交通安全法
船舶交通が特に多い海域に特別ルールを定め、船舶交通の安全を図ることを目的とした法律です。東京湾、伊勢湾及び瀬戸内海において、航路航行義務や航路入出航船の避航義務等特別の交通ルールを規定しています。
港則法
港内における船舶交通の安全と港内の整頓を図ることを目的とした法律です。指定された全国約500港の港内において、係留等の制限、航路航行義務や航路入出航船の避航義務等特別の交通ルールを規定しています。
(※海上の交通ルールの詳細について⇒ )- 海の上では、気象海象による影響がとても大きくなります。出航前に、最低でも以下の項目はチェックしておきましょう。特に出航時に天候が悪化することが予測されるときは、潔く出航を取り止めましょう。
- 天候
- 風向・風速
- 波高
- 満潮・干潮時刻
- 日出・日没時刻
- 「山に笠雲がかかると雨が降る。」などの言い伝えを聞いたことがあると思います。地域によっては、このような「観天望気(かんてんぼうき)」という、自然現象や生物の行動などから天候を予測することわざや言い伝えがありますので、覚えておきましょう。
自分のボートの特性とフィールドを知っておこう。
ミニボートには、その構造から、大きく分けて「インフレータブルボート」と「リジッドボート」の2種類があります。それぞれ、以下のような特性がありますので、自分のボートの特徴をよく知っておきましょう。
インフレータブルボート
- インフレータブルとは「空気注入式」という意味で、チューブ構造で形成される船体に空気を注入して膨らませるタイプをいい、チューブの材質は合成繊維に機密性材料を何層にも張り合わせたものとなっています。
- 空気を抜けば折り畳むことができ、持ち運びに便利です。
- 船体の周囲が空気を充填したチューブで形成されているので水面で高い安定性が得られます。
インフレータブルボート
リジッドボート
- リジッドとは、「硬い」という意味で、船のタイプに一体形成されたものや組立式のものがあります。
- 材質はほとんどがFRP(繊維強化プラスチック)製、ポリエチレン製やアルミ製です。
- 船体剛性が高く、頑丈です。
- 劣化に強く、耐久性が高くなっています。
リジッドボート(組立型)
船外機
船外機(外付け式のエンジン)は、ミニボートの推進力となる重要な機器です。取扱説明書をよく読み、基本的な使用方法やメンテナンス方法を覚えておきましょう。
主な船外機メーカーの取扱説明書
取扱説明書 | クイック説明書 | |
---|---|---|
ヤマハ | ○ | × |
ホンダ | ○ | × |
トーハツ(クイック説明書) | ○ | ○ |
スズキ | ○ | × |
マーキュリー | ○ | × |
機関の取扱を誤ったことによる事故事例
ミニボートで移動しながら釣りの最中に、燃料切れでエンジンが始動しなくなったため、海上で燃料補給を行った。しかし、燃料タンクからキャブレターまでの燃料管内の空気抜きを行わなかったことから、エンジンが始動できず、風に流され始めたため、救助を要請したもの。
- 気象海象の状況:南西の風2m、海上平穏
事故防止のポイント
燃料があるのにエンジンが動かないのは、燃料タンクからエンジンまでの燃料系統に原因があることが考えられます。燃料タンクにエアベントスクリューが付いている場合は、エンジン始動前に必ず開放するようにしましょう。
- 地域によっては、ミニボートを揚げ降ろしできるマリーナや港などがありますので、事前に利用方法を確認した上でルールを守って利用しましょう。また、ローカルルールが決められている場合もありますので、情報を収集してきちんと守るようにしましょう。
(※受け入れマリーナや利用できるスロープの情報については
ボーティングJAPAN ⇒ - 初めてミニボートに乗る方は、ミニボートメーカーや関係団体が主催している安全講習会などに参加して、基本的な事項を学びましょう。
画像提供:(一社)日本マリン事業協会、アキレス株式会社、有限会社オーパ・クラフト 海上保安庁海の安全推進アドバイザー 小野 信昭
もしものときのために・・・
- 海上で船外機が急に動かなくなった場合のために、簡単なトラブルシューティング(修理方法)を学んでおきましょう。
※船外機のトラブルシューティングについては ⇒
-
トラブルシューティングでもエンジンの異常が直らないときは、自力(オール)で岸に戻らなくてはなりません。ミニボートには必ずオールを積んでおくとともに、オールを使えるような技量を身につけておきましょう。
防水ケースに入った携帯電話
- 自船位置の確認・気象情報等の入手の他、万が一の際の救助を要請する等の連絡手段として防水パックに入れた携帯電話又はスマートフォンを必ず持つようにしましょう。
- 安全を確保するため、以下の「自船の安全確保3か条」を実践するようにしましょう。
- その1 発航前、機関や燃料等の点検の実施
- その2 航行時、常時見張りの徹底
- その3 故障時に備え、救助支援者の確保
- 事故や負傷など、万が一の場合に備えて、プレジャーボート用の損害補償保険に加入することも検討しましょう。