旋回の方法について

 水上オートバイは、内傾して(ハンドルを切った側に傾けて)旋回します。操縦者が体重を旋回側に移動することで遠心力に対抗し、内傾を助長することでより鋭く旋回します。     
 ただし、水上オートバイは舵がないため、ジェット噴流が適度にある状態でなければ、思ったような旋回ができません。 障害物を避けたり進路変更等をするには、推進力が必要なことから、エンジンを停止せずにスロットルレバーを操作し、推進力を確保しましょう。

最徐行速度(アイドリング速力)で旋回する方法

 水上オートバイは、エンジンが掛かっている状態では、リバースゲートが中立あるいは後進位置にある限りスロットルレバーを完全に戻していても微弱ながら前進の推進力があります。
 アイドリング状態でハンドルを左右どちらか一杯に切ると、風や流れが無ければほぼその場で旋回できます。

画像提供:(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会

徐行速度(低速)で旋回する方法

@前方、旋回方向及び後方の安全確認を確実に行います。

A安全確認後、旋回方向にハンドルを切ります。

B波、風など外力の影響が強い場合は、少しスロットルを開ける。
 旋回時は水の抵抗で失速するので、旋回の後半で少しスロットルを開けると、滑らかな旋回ができます。

C徐行(低速)時に倒れそうになった場合は、スロットルを開けることでバランスが回復します。
 横波に注意しながら旋回しましょう。

画像提供:(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会

中速及び高速で旋回する方法

@前方、旋回方向及び後方の安全確認を確実に行います。

A旋回する前に必要に応じて少し速度を落とし、ハンドルを旋回方向に切ります。
 速力が上がるほど遠心力で身体が外側に振り出されるので、速力に応じて旋回方向に体重を移動させます。

B旋回しながら徐々にスロットルを開けることにより滑らかに旋回します。
 旋回時は水の抵抗で失速するので、旋回の後半で少しスロットルを開けると、滑らかな旋回ができます。

C大きく体重移動を行うほど、また、大きくスロットルを開けるほど小さな旋回径で曲がることができます。

D視線は旋回する先に向けます。速力が上がるほど遠くを見るようにすると、ふらつきを押えられます。

E目的の方向に向く少し前から除々にハンドルと体重を戻します。
 直進状態になると、船体への水の抵抗が減り、旋回中より速力が上がるので、スロットルで調整します。

※高速で急旋回すると、水上オートバイがスピンして操船者や同乗者が落水する場合がありますので控えましょう。
 高速での旋回は、旋回径を大きく取るか、適切な速度まで落として旋回しましょう。

画像提供:(一財)日本海洋レジャー・安全振興協会

旋回の方法に関連する事故事例

事故事例@
水上オートバイAは、特殊小型船舶操縦士免許取得の実技講習を受講中、講習コースに設置されたブイを左旋回して回避する際、誤ってアクセルを握って加速したのみで、速力に応じた体重移動やハンドル操作を行わなかったことにより、速力増加に伴って旋回径が大きくなり、付近護岸に衝突しました。
【怪我】両大腿部打撲 【事故原因】操船不適切

事故事例A
水上オートバイBは、漁港南側の砂浜から出航し、同漁港沖の一文字防波堤の西側から進入し防波堤の北側に出て、右旋回しながらUターンしようとしたところ、曲がり切れずに速力約25ノットで防波堤西側に衝突しました。
【怪我】右手首骨折 【事故原因】操船不適切

事故を防止するためのポイント
各速力に応じた旋回方法を正しく理解するほか、自船の旋回径を確実に把握しましょう。