遊泳 SWIMMING
遊泳の安全対策について、より詳しく知りたい方へ
1 ライフジャケットについて
- 遊泳の際に着用するライフジャケットには、法令で定められた物(規格等)はありません。
ライフジャケットは様々な種類があり、公的機関などがその性能を証明している物もあります。
- 上記のようなマーク付以外のライフジャケットもありますが、ライフジャケットの中には表示された性能を満たしていない粗悪な物もあります。
表示内容を鵜呑みにせず、よく確認したうえで、実施するウォーターアクティビティに応じたライフジャケットを選択しましょう。 - 自身が着用するライフジャケットの性能をあらかじめ確認しておきましょう。
- ライフジャケットは、正しく着用しないと本来の機能を発揮することができないおそれがあります。購入する際は、自身の身体に合ったライフジャケットを選びましょう。
- ライフジャケットを着用する際は、脱げないようにベルトをしっかり締めるなど、事前に正しい着用方法を確認しておきましょう。
※子どものライフジャケットには「幼児用」「子ども用」などがあります。子どもが大人用のライフジャケットを着用した場合、万が一の際に脱げてしまうなど、ライフジャケット本来の機能を発揮することができないおそれがあります。
固型式ライフジャケット着用方法(子ども用)
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2 溺水の定義
- 海上保安庁では、海難調査において溺水を「海で溺れた場合」としており、具体的には海水の誤飲、誤嚥(ごえん)、足が攣(つ)る等により、正常な動作が出来なくなった場合を「海で溺れた」と判断しています。
- WHO(世界保健機関)では、溺水を「沈水/浸漬により呼吸障害をきたすプロセス」と定義しています。
- 水死・溺死の原因についての資料は⇒((独)日本スポーツ振興センターHPにリンクしています。)
3 溺水の発生場所
- 水の事故は川や海だけではなく、身の回りの様々な場所で発生します。国内では浴槽における水の事故が多数発生しています。((一社)水難学会指導員養成講習会テキスト参照)
4 溺水のメカニズム
- 溺水の過程を段階に分けていくと、一般的には次のような段階を経て、最悪の場合には死に至ります。
((一社)水難学会指導員養成講習会テキスト参照)
①パニック
②呼吸停止
③意識障害
④痙攣(けいれん)
⑤心停止
- パニック
パニックの段階では、溺者は危険を察知して恐怖を感じます。瞬間的に体の動きがとまり、足が水底に届かない水の中では溺者は体位を垂直にして沈みます。十分な泳力がなければ、水面に再び出ることはありません。 - 呼吸停止
呼吸停止の段階は、水が溺者の口や鼻に入り込み一部が肺までの空気の通り道(気道)に向かい、それをきっかけにして溺者は肺に酸素を取り入れることができなくなり、意識を徐々に失います。これが意識障害の段階です。喉頭蓋が気道をふさぐこともあるとされています。 - 意識障害
意識障害の段階では、溺者の動きはほぼ止まります。呼吸に伴う胸の動きや呼吸音を感じることができません。意識を完全に消失すると溺者の体は沈んでいきます。水没の速度は、溺者の中に溜まっている空気の量、体重及び筋肉の重さによって異なります。例えば没水の直前に「助けて!」と声を出せば、肺の空気を吐き出すことになり、より速く没水していきます。なお溺者の意識は呼吸及び循環機能が回復するまで戻りません。 - 痙攣(けいれん)
呼吸ができないと脳への酸素の供給が断たれることになり、痙攣を始めることがあります。また低酸素状態になることで、ヘモグロビンが鮮紅色を失い、溺者の唇や爪などが青紫色に見えるチアノーゼを呈するようになり、口から泡を出すこともあります。 - 心停止
溺者は溺水の最終段階としてやがて心停止を迎えます。呼吸のできない状態が続くと数分以内に心臓が停止します。体内の臓器は酸素を十分含んだ血液を受け取ることができなくなり、死に至ります。
- パニック
5 低体温症(ハイポサーミア)について
- 低体温症とは、全身が長時間寒冷環境にさらされ、低体温(35℃以下)になった状態をいいます。寒中水泳や寒冷水域でのマリンスポーツでは特に注意が必要です。また、濡れた衣服を着たままにしておくと急激に体温を奪われます。そのほか、意識障害をきたしている場合、過度の飲酒、甲状腺など内分泌の疾患がある場合等も低体温症となりやすく、特に乳児や高齢者は体温調節が未熟であったり、衰えていたりするため、低体温になりやすいので注意が必要です。
症状
- はじめ、全身に悪寒を感じ、震えが始まり、深部体温が32℃以下になると、震えは逆に弱くなってきます。活動性も低下し、意識障害などが起こります。30℃以下になると、徐脈となり、不整脈を起しやすくなります。最も危険なのは心室細動です。
(引用:(公財)日本ライフセービング協会資料)
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画像提供:(公財)日本ライフセービング協会