水上オートバイ Personal Water Craft
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トーイング遊具を安全に楽しく遊ぶために
トーイング遊具は、水上オートバイやプレジャーボートなどによって曳航されて遊ぶ遊具の総称です。
スピードやスリルを楽しむことができるアクティビティですが、ケガなどをしないために基本的な注意事項等を守り、安全に楽しく遊びましょう。
- トーイング遊具の種類
- 基本的な注意事項について
- 走行中の注意事項について
- 基本的な注意事項及び走行中の注意事項に関連する事故事例
- 安全なエリアについて
- 安全なエリアに関連する事故事例
- 曳航速度について
- 曳航ロープについて
- 曳航ロープに関連する事故事例
トーイング遊具の種類
トーイング遊具には、代表的なバナナボートのほか、マーブルやビスケットなどの様々な種類が存在します。
種類によって乗り方や定員が異なりますので、取扱説明書を確認してから遊ぶようにしましょう。
レンタルの場合には店員等の指示を必ず守り、安全に遊ぶようにしましょう。
※画像はイメージです。具体的な安全対策は以下をご参照ください。
基本的な注意事項について
- 取扱説明書をよく読み、記載された遊び方、定員等を確実に守りましょう。
- トーイング遊具の空気圧は、取扱説明書に記載された適正な値の空気圧で使用しましょう。
- 圧力が不足すると、滑走時の抵抗が増え、本来の機能が発揮できないほか、破損の原因にもなります。
- トーイング遊具の旋回時に、曳航している水上オートバイやプレジャーボートの航走波を越える際の衝撃により同乗者同士で衝突したり、トーイング遊具から落水の際の水面への衝撃によりケガをする危険があります。
- トーイング遊具を曳航するときは、自船や他船の航走波に注意するほか、旋回時は速度を落とすなど、トーイング遊具に乗る人の安全を十分に考慮して操縦しましょう。また、スリルを味わわせる目的でわざと振り落とすような行為は絶対に止めましょう。
- トーイング遊具からの落水や同乗者同士による衝突に備え、曳航を行う操船者は、トーイング遊具に乗る人にライフジャケットやヘルメットを必ず着用させましょう。また、ライフジャケットは体格にあったものを選び、落水時の衝撃で脱げることのないようにベルトやファスナーを確実に締めましょう。
走行中の注意事項について
- 走行中は水上オートバイやプレジャーボートのエンジン音や水切り音などで、曳航を行う操船者とトーイング遊具に乗る人との会話は困難になります。走り始めるときは増速、減速、停止するときなど、お互いに意思疎通をすることで事故を防止できます。あらかじめ、手信号(ハンドシグナル)で合図を決めておきましょう。
- 曳航を行う操船者とトーイング遊具に乗る人との意思疎通を円滑にするため、曳航する水上オートバイやプレジャーボートには、見張り役を同乗させましょう。
- 使用後は、トーイング遊具の劣化を防ぐため、真水洗い等の整備を行いましょう。また、運搬するときは、破損防止のため地面を引きずらないようにしましょう。
画像提供:(公財)マリンスポーツ財団
基本的な注意事項及び走行中の注意事項に関連する事故事例
事故事例 ①
トーイング遊具を曳航しながら旋回していたところ、トーイング遊具に乗っていた者が遠心力により海上に振り落とされ、海面に胸部を強打したもの。
事故事例 ②
水上オートバイでトーイング遊具を曳航する際、スリルを味わわせる目的で遊具に乗る者に対し、わざと海面に振り落とすような操船を行い曳航していたところ、トーイング遊具から振り落とされた同乗者の足が他の同乗者の頭部にあたり、負傷したもの。
事故を防止するためのポイント
走行中に遊具から落下すると、海面にたたきつけられたり、同乗者と衝突したりして思わぬケガをする危険があります。曳航を行う操船者は、遊具に乗る人の安全を第一に考え、わざと海面に振り落とすような危険な操船は止めましょう。
曳航を行う操船者とトーイング遊具に乗る人との意思疎通を円滑にするため、曳航する水上オートバイやプレジャーボートには、見張り役を同乗させましょう。見張り役は、遊具に乗っている人からの合図を操船者に伝えるとともに、落水者や負傷者が発生した場合は、直ちに曳航を行う操船者に知らせましょう。また、常に周囲の見張りも行いましょう。
安全なエリアについて
- トーイング遊具は横滑りしやすい構造のため、旋回時には思った以上に大きく振れ回ります。
浅瀬、岩場などの障害物のない、広くて安全な海域で遊びましょう。 - 他船や他の遊泳者等と衝突を避けるため、港やマリーナの出入口付近、船舶が行き交う海域、遊泳者等がいる海域では遊ばないようにしましょう。
- 衝突防止のため、障害物等からは最低でも30mの安全距離を保つようにしましょう。
安全なエリアに関連する事故事例
事故事例 ①
水上オートバイで3名乗りのトーイング遊具を曳航して浜に戻っている最中に、消波ブロックに遊具が衝突し、3名が投げ出されて負傷したもの。
事故事例 ②
水上オートバイでトーイング遊具を曳航し、消波ブロックの間を通過する際、曳航されたトーイング遊具が旋回時に振れ回り、左側にある消波ブロックの突端に衝突したもの。
事故を防止するためのポイント
障害物等への衝突を避けるため、トーイング遊具は広く安全な海域で遊ぶことが必要ですが、帰港中など、やむを得ず周囲に障害物のある狭い水道等を航行するときは、曳索を短くし、振れ回る半径を小さくし、障害物と遊具の距離の確保に十分注意しながら、速度を抑えて航行しましょう。
曳航速度について
- トーイング遊具を曳航するときは、取扱説明書に記載された速度を守るようにしましょう。
具体的な目安として、時速35km以上の速度は出さないようにしましょう。 - トーイング遊具の旋回時や波を越えるときは、トーイング遊具側ではコントロールできないことに配慮し、十分に速度を落として航行しましょう。
- 旋回時は、トーイング遊具が遠心力の作用で横滑りするため、曳航するボートの速度が時速35kmの場合、トーイング遊具の速度は最大で時速70kmに及ぶことを知っておきましょう。旋回時は特に注意する必要があります。
やむを得ず遊泳者や障害物に近づいたときには、速度を抑えて航行しましょう。 - 波が高い場合は、ロープの張り(テンション)が急に強くなることがありますので、通常時より速度を抑えて航行しましょう。
曳航ロープについて
- 曳航ロープは、取扱説明書に記載された長さ及び強度のものを使用しましょう。
具体的な目安として、15mから20mの長さの曳航ロープを使用するとともに、トーイング遊具に乗る人数に見合った強度のものを選択するようにしましょう。 - 曳航ロープを手や足に巻いてしまうと、ロープに力が加わった際、思わぬケガをする場合がありますので、常に気を付けるようにしましょう。曳航を行う操船者は、トーイング遊具側でロープを触ったりしていないか、体に巻きついていないかといったことを確認した上で、曳航を開始するようにしましょう。
- 減速時や停止した際は曳航ロープがたるむため、水上オートバイの海水吸入口に曳航ロープが吸い込まれたり、ボートのプロペラに巻き込まれたりして航行不能となるおそれがあります。これを防止するためにも、曳航を行う操船者と見張り役は、常に曳航ロープの状態と位置関係を把握するようにしましょう。
曳航ロープに関連する事故事例
事故事例
水上オートバイでトーイング遊具を曳航中、減速時にたるんだ曳航ロープを海水吸入口に吸い込み航行不能に陥ったもの。
事故を防止するためのポイント
水上オートバイは、推進力を得るために船底の海水吸入口から海水を吸い込む構造になっていますが、ロープやゴミなどが詰まると、インペラへの巻き込みやエンジンのオーバーヒートなどにより航行できなくなることがあります。
特に、トーイング遊具の曳航中に急減速すると、たるんだ曳航ロープが海水吸入口に吸い込まれることがありますので、減速する際はできるだけゆっくり行うとともに、常に曳航ロープのたるみ状況と曳航ロープの位置を把握するようにしましょう。