備讃海域の特徴

目 次

    1.備讃瀬戸東航路の概要
    2.備讃瀬戸北航路の概要
    3.備讃瀬戸南航路の概要
    4.水島航路の概要(水島港内航路を含む)
    5.こませ網漁業
    6.サワラ流し網漁業

1.備讃瀬戸東航路の概要 戻る

  1. 航路は、中央を灯浮標で示され、その北側の幅700メートルが西航、その南側の幅700メートルが東航の対面航行となっている。全長は、20.1海里である。
  2. 航路は、島の間を縫うように設定されており、航路を外れると浅頼が多い。
  3. 航路の東部は、高松一小豆島間の「定期フェリー」や「高速艇」が多数横断し、2~8月間は、「こませ網漁業」が航路の内外で実施される。
  4. 航路の西部は、宇高東航路(北航)、宇高西航路(南航)と交差している、両航路は、「定期フェリー」が航行(横断)している。また、2~8月間は、「こませ網漁業」が航路の内外で実施される。
  5. 以下、「西航」、「東航」時の「昼間写真」と「レーダー写真」を掲載する。

①備讃瀬戸東航路-東部付近(西航)



 

②備讃瀬戸東航路-中央付近(西航 )



 

③備讃瀬戸東航路-西部付近(西航)



 

④備讃瀬戸東航路-西部付近(東航)

 


⑤備讃瀬戸東航路-中央付近(東航)

 

⑥備讃瀬戸東航路-東部付近(東航)

 

2.備讃瀬戸北航路の概要 戻る

  1. 航路は、ほぼ幅700メートルで全長は、11.8海里である。備讃瀬戸東航路に小瀬居島(坂出港の北方)北方で接続し北備讃瀬戸大橋の下をくぐり、水島航路と交差し六島方面に向かう西航専用である。
  2. 航路は島の間を縫うように設定されており、航路を外れると浅瀬や暗礁がある。
  3. 航路の両端を灯標や灯台によって標示されている。
  4. 本航路と水島航路の交差部は、他船の動静と避航関係に注意を要する。また、交差部直後の海或に2月~8月「こませ網漁業」が航路内外で実施される。
  5. 以下、「西航」時の「昼間写真」と「レーダー写真」を掲載する。

①備讃瀬戸北航路-東部付近(西航のみ)

 

②備讃瀬戸北航路-中央付近(西航のみ)

 

3.備讃瀬戸南航路の概要 戻る

  1. 航路は、幅700メートルで、全長は、12.6海里である。六島方面から高見島の南方で曲がり水島航路と接続し、南備讃頼戸大橋をくぐり備讃頼戸東航路に接続する。東航専用である。
  2. 水深は、浚渫により確保されているが、航路を外れると浅くなる。
  3. 航路の両端は、灯浮標等によって標示されている。
  4. 航路周辺は、「機船底びき網漁業」等が盛んである。
  5. 本航路は、丸亀港等からの出港船の合流、水島航路からの合流があり、「定期フェリー」の横断と共に注意を要する。
  6. 以下、「東航」時の「昼間写真」と「レーダー写真」を掲載する。

①備讃瀬戸南航路-入口付近(東航のみ)



 

②備讃瀬戸南航路-東部付近(東航のみ)

 

4.水島航路の概要(水島港内航路を含む) 戻る

  1. ここでの航路は海上交通安全法の「水島航路」と港則法の「水島港港内航路」を言う。航路の幅は、600~700メートル(港内航路は400~600メートル)で「巨大船」は、信号による一方通航であリ、他は、出来る限り航路の中央から右側の部分を航行しなければならない。全長は約8海里である。
  2. 信号は、次の3箇所である。
  3. (1)海上交通安全法: 三ツ子島管制信号所----「N」または「S」
      西ノ埼管制信号所----「N」または「S」
    (2)港則法: 水島信号所----「I」「0」「F」「X」等
  4. 航路は、島の間を縫うように設定されており、航路を外れると浅瀬が多い。
    また、備讃瀬戸南、北の両航路との接続や交差部と、下津井大橋付近では、他船の動向に十分注意する必要がある。
  5. 2-8月間は、「こませ網漁業」が航路の内外で実施される。
  6. 以下、「北航」「南航」時の「昼間写真」と「レーダー写真」を掲載する。

水島航路-南部付近(北航)

 

水島航路-北部付近(南航)

 


5.こませ網漁業 戻る

  1. 備讃瀬戸各航路と周辺海域で、1月から11月(最盛期は2月から8月初めまで。8月以降は少ない)までの間に行われる独特の漁法で、袋待網漁業の一種です。
  2. 本漁法は、袋網を海中に沈設して、潮流に流されてくる魚が袋網に入るのを待って引き揚げるものです。投げ網と揚げ網は、転流時に行い、転流から転流までは移動しません。
    網の固定は、錨を入れて行います。網の幅は150~200メートルであり、漁船は、網の中央で網を開口しています。
    数隻が、横に連続して並ぶことが多くあります。
  3. 網の固定錨は、海面にオレンジ色の「いかりダル」で標示し、網は、「ハナダル」(白色)及び「シリダル」(白色又はオレンジ色)で標示されます。
    夜間には、「いかりダル」及び「シリダル」を灯火で標示されます。

こませ網漁業漁具、漁法図




6.サワラ流し網漁業 戻る

  1. 漁期は、春と秋で、最盛期は5月から6月末までです。漁は夜間に行われます。
  2. 漁法は、長さ600~2000メートル、網丈8~24メートルの網を、潮の流れに直角に投網し、潮流に流されながら回遊するサワラを捕ります。
  3. 投網は、開始から20~50分程度で完了し、投網から揚収までは、通常2時間前後です。網の揚収には、通常40分~2時間程度を要します。
  4. 投網直後と、他船通航直後の通航は、網を切断する事があります(船間距離を十分に確保しないと先航船のスクリューでかき揚げられた網を切断することとなる)
  5. 漁船は、投網時に「黄色の回転灯」を点灯します。他の船舶が接近し、注意を喚起する場合も同じです。
  6. また、投網作業中に「白灯」を斜め上に掲げ、白灯を振った方向に航行船舶を避航させることがあります。

(参考)備讃海域における主要漁業海域図