Fishing

各釣り場での注意点

防波堤・岸壁での釣りの注意点

 防波堤や岸壁は最も事故が多く発生しています。安全に気を付けて釣りを行いましょう。
防波堤から海中転落した事故事例はこちら

  • 立入禁止区域に入らない
  •  立入禁止区域と設定されている場所には絶対に入らず、安全な場所で釣りを行いましょう。立入禁止区域への進入は法令違反で検挙される場合があります。
     参考:釣りができる場所の一例として国土交通省港湾局は地域の関係者による釣り文化振興の取組が進められている港湾を「釣り文化振興モデル港」として指定しています。また、漁港を管理する都道府県・市町村の一部では、水産庁が振興する「海業」の一環で漁港を釣り場として活用している事例もあります。

  • 足元に注意する
  •  一見、安全そうに見える場所でも係船機材や車止め、割れなどがあります。注意して歩きましょう。また、場所によっては転落時のために救命浮環や、梯子を設置している場所もありますので併せて確認しましょう。
     車止めにつまづいて海に転落した事故事例はこちら

  • 消波ブロックの上では釣りをしない
  •  消波ブロック上での釣りは大変危険ですのでやめましょう。

磯釣りの注意点

 磯釣りは転倒による負傷や、海中転落などのリスクが高くなるため、入念な準備が必要な上級者向けの釣りです。このページでは磯釣りの注意点について記載します。
釣りをする際の行動気象・海象も確認してください。

  •  固型式ライフジャケットの着用
  •  固型式ライフジャケットの着用を推奨します。膨脹式ライフジャケットは磯に擦れて損傷する可能性があります。

  • 足元に注意
  •  磯は海藻や凹凸などにより足元が非常に不安定です。釣り場の環境に合わせた履物を選択するほかに、なるべく足場が良い場所で釣りを行いましょう。また、万が一海中転落した場合に備えて上陸可能な場所を確認しましょう。
    磯釣り中に転倒した事故事例はこちら

  • 帰還不能に注意
  •  潮の満ち引きにより磯場に取り残される事故が発生しています。これを防止するため気象・海象を確認し釣りに行きましょう。
    磯釣り中に帰還不能となった事故事例はこちら

  • 連絡体制の確保(瀬渡し船利用時)
  •  瀬渡し船を利用する場合は常に船長と連絡が取れる体制を確保しましょう。

  • 船長の指示に従う(瀬渡し船利用時)
  •  瀬渡し船に乗り降りする際は十分に注意してください。特に釣り場では動揺があるため船長の指示に従い、十分に注意しましょう。
    ※状況に応じて上礁時には同乗者と協力し、安全に渡れるよう、荷物の受け渡しを行うなどしましょう。

砂浜釣りの注意点

 遊泳者やサーファー等、他の海域利用者もいますので注意して釣りを行いましょう。また、砂浜では波に引き込まれるリスクもあります。

  • 波打ち際から安全な距離をとる
  •  砂浜での釣り中に波にさらわれる事故が発生しています。波打ち際から十分に距離を取り、安全が確保できる場所で釣りを行いましょう。

     砂浜(干潟や河口)でウェーディングを行う場合は以下のリンクをご確認ください。
    ウェーディングについて

参考:川の場合

  • 【川の特性について】
  •  一口に川といっても上流・中流・下流といった大きな区間分けはもちろん、同じ区間内でも局所ごとに流れや川底の形、深みの様相等が様々です。
     そういった場所の特性の理解とあわせ、行おうとする釣りの種類に応じて最低限必要な装備および釣りをする際の行動を確認しましょう。

    同じ川でも上流~下流で流れや深みの様相は様々
    (河川財団資料「No More水難事故」より)
    国土交通省国土技術政策総合研究所資料をもとに作成
    河川形態 河床勾配

  • 【流れに立ち入るリスクについて】
  •  川に入水して活動する釣りは水際での釣りと比べ、流されるなどのリスクが高くなります。
     浅い所は安心、と思いがちですが、浅い所でも流れが速いことがあります。その流れの強さとエネルギーは想像以上であり、大人の膝程度の浅さでも、力に押される、あるいはバランスを崩すなどして、簡単に流されたりします(水位が上昇すればそれだけ受ける力も大きくなります)。
     そのため、ライフジャケットを着用した上で、流されることも想定し、下流側がゆるやかな場所等を選定します。

  • 【水際のリスクについて】
  •  水際等での釣りは、予期せぬ転落等などのリスクがあります。
     水際の護岸や浅瀬の石などのコケ、濡れた石やコンクリートなどはとても滑りやすくなっています。滑った後に本流に流されたり、深いところまで流されたりすると、溺れることに直結します。
     「水際」は、このような水中への転落、引き込まれなどの危険があるとともに、増水などで陸地と水面との境目が変化しやすいエリアです。そのため、「陸地と水面との境目」より、3~5m程度陸地側に立ち入る可能性があるときは、ライフジャケットを着用することで落水時の危険度を大きく下げることができます。(川の状態、柵の有無、水際までのアプローチのしやすさ、転倒しやすい足場などにもよります)
     なお、夜釣りを行う場合はこちらをご参考ください。

近づくにつれリスクが高まる
(河川財団資料「No More水難事故」より)

  • 【構造物について】
  •  川が曲がっている外側には、堤防等の侵食や洗掘を防ぐためコンクリートブロック等が設置されていることがあります。この周辺や内部で発生している複雑な流れが発生し、隙間(ストレーナー)にはさまれたり、吸い込まれたりすると脱出できなくなります。
     農地が多いような場所では、農業に必要な水を確保するために取水堰(しゅずいぜき)や頭首工(とうしゅこう)とよばれるような川を横断するように設置されている落差の小さなダムがあります。こういった構造物の下流側には上流方向に反転する強力な流れが発生することがあり、巻き込まれてしまうと脱出が難しくなります。また、洗掘によって深くなっている所もあります。こういった構造物等の付近は急な深みや複雑な流れなどが潜み転落するとリスクが高いことから、近寄らないことです。

参考資料
水辺の安全ハンドブック
全国の水難事故マップ(川・湖沼池等)
No more水難事故
河川水難事故防止ポータルサイト